手作りおもちゃ〜ベロ出しおばけ

斉藤隆介さんの作品に「ベロ出しチョンマ」(1)という名作があります。

江戸時代の義民として知られた佐倉惣五郎のはなしがモデルなのだとか。
千葉県の花和村という村では、領主の過酷な年貢の取り立てに、農民たちは飢えて困り果てていた。
そこで長松の父親は、死を覚悟して将軍への直訴を企てます。
が、聞き入れられず、一家は磔(はりつけ)にされることになります。

12歳の長松には、幼い3歳の妹をあやして笑わせるための必殺技がありました。
人形浄瑠璃のように、眉毛をカタッと八の字に下げ、ベーッと舌を出す。
そのあまりの“ヘン顔”に、ぐずっていた妹も笑わずにはいられない。

長松一家が柱に縛り付けられ、いよいよ槍で突かれようとしたとき、妹は泣き叫びます。
そのようすを見た長松は、自分のことも忘れて、妹をなだめ笑わせようと、
眉毛をカタッと八の字に下げ、ベーッと舌を出す。
そして舌を出したまま、殺されたのでした。

一家が殺された刑場のあとには、やがて神社がたち、その縁日にはおもちゃの人形が売られるようになりました。
人形の背中の輪をひっぱると、眉毛がカタッと八の字に下がって、ベーッと舌を出す。
見れば、だれでも笑わずにはいられない。
そのおもちゃが「ベロ出しチョンマ」。
「長松」の名前がなまって、「チョンマ」になったのだということです。

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「花和村」や神社やおもちゃも、作者のフィクション。
が、この物語にあやかって、佐倉惣五郎の霊をまつる惣五霊堂で「ベロ出しチョンマ」人形が売られたのだとか。

その人形ともぜんぜん違いますが、物語にあやかって、カンタンなおもちゃを作ってみようとしたのでした。
ところが八の字に眉毛を下げることはできず、男の子の顔にも見えず。
結局、試行錯誤の末、舌を出すだけのおばけになってしまいました。

ベロ出しおばけ

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おばけのふつうの顔。
ところが、内側の紙コップをカタッと回すと……。

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材料と道具は、キョロキョロにゃんこのときと同じです。
これだけ。
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(1)えんぴつで下書きの顔を描きます。
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このとき、目と目のあいだの幅は、口の長さよりも長くとります(下図・左)。
口の長さよりも狭いのはいけません(下図・右)。
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(2)カッターやはさみで、目の穴をくり抜き、口に切り込みを入れます。
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(3)もうひとつの紙コップを差し込みます。
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(4)目の穴の内側のところに、えんぴつでしるしを付けます。
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(5)えんぴつで付けたしるしよりも狭い幅で、下書きの舌を描きます。
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(6)カッターやはさみで切り込み、U字形に舌を切ります。
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(7)舌を赤く塗ります。
はっきり鮮やかに見えるよう、赤のマジックインクなどで塗ると効果的です。
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(8)はめこんだ内側の紙コップの舌を、外側のコップの口の切り込みから差し出します。
その舌の先を折り曲げます。
これがストッパーとなります。
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折り曲げたところの白い部分も赤く塗ります。
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(9)舌をしまった状態にして、ふつうの表情の目玉を描き入れます。
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(10)舌を出した状態にして、驚かせる表情の目玉を描き入れます。
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(11)顔を描いて、完成。
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内側の紙コップをクルッと回すと……。
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旅の行く先で、子どもたちに届けようと思います。
「ベロ出しチョンマ」にあやかって、少しでも笑ってもらえるといいのですが。






《引用・参考文献》
(1)斉藤隆介「ベロ出しチョンマ」角川文庫
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by kamishibaiya | 2011-05-09 20:45 | 子どもたちのこと | Comments(0)

「ポレポレ」は、スワヒリ語で「のんびり、ゆっくり」という意味です。紙芝居屋のそんな日々。


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