小林玲子さんの「涅槃図」の絵解き・6

駆けつけて来た動物たち


悲報を知って、ブッダのもとへ駆けつけてきたのは、
人間や神々ばかりではありませんでした。
生命あるもの──動物や鳥や虫たちもやって来ます。
魚たちは、もしかしたら、すぐ近くの
ヒラニヤヴァティー河あたりへ来て待機していたかもしれませんね。

ゾウは、悲しみの衝撃に打たれて、
「阿」の形の仁王さまと同じように、地に倒れ、のたうちまわっています。
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龍も、茫然自失のようすで空を仰ぎ、途方に暮れているようです。
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百獣の王・獅子(ライオン)もうつむいて、うずくまっている。
伝説では中国に住むといわれる麒麟(キリン)も、はるばるインドまでやって来たのでしょう、
沈痛な面持ちで、一点を見つめています。
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クマや、ネズミや、カエルたち。
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ツルや、クジャク、ニワトリ、オシドリなどの鳥に混じって、
迦陵頻伽(かりょうびんが)の姿もあります。
迦陵頻伽は、上半身が人間、下半身が鳥で、極楽浄土に住み、
非常に美しい声で鳴くそうです。
彼女が手にしているのは、もしかしたら
マンダーラヴァ華(曼荼羅華、デイコ)の花でしょうか?
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カメや、スッポン、海辺や川辺の貝たちも上陸してここまでやって来たようです。
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チョウや、ガも、ここまで飛んで来ています。
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この他、ラクダやカラス、ムカデに至るまで、
多くの生きものが、ここクシナガラのサーラの林にやって来て、
偉大なる死を悼んだのでした。

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by kamishibaiya | 2012-02-06 00:00 | 絵を見せて語るメディア | Comments(0)