まあ、ちょいとガンガンいこか・01
2017年 08月 16日
がんの仕業というオチだった
紙芝居には関係のない、まるっきりの私事(わたくしごと)なんですが、
ここ1年ほど前から自分のからだに起こったこと、起こっていることを、ここに記しておこうかと思います。
同じような症状をお持ちの方がお読みになったら、何かの参考になるかもしれませんからね。
というわけで、これまでのことを、メモをもとに、ちょっとまとめてみます。
2016年07月09日(土) |
痛みというほどではない。
07月11日(月) |
仕事を終えてから、関節痛に効くという市販の鎮痛剤を買ってのむ。
痛みは解消する。
07月18日(月) |
仕事を休んで、近所のS整形外科クリニックを受診。
レントゲン撮影をするが、骨そのものには異常はない。
股関節のまわりの軟骨や腱、関節包、靭帯などに原因があるのではないかとのこと。
翌日から、仕事。処方された鎮痛剤「ロルカム」と胃腸薬をのみながら、作業を行う。
痛みは、約1週間ほどで終息。
09月20日(火) |
S整形外科を受診し、鎮痛剤を処方され、のみながら仕事をこなし、1週間ほどで治る。
10月07日(金) |
翌日、鎮痛剤をのみながら仕事をするが、薬が効かない。なんとか仕事を終える。
次の日の日曜日と連休は一日じゅう、ベッドに臥す。
痛みは悪化。寝ていても、どんな姿勢をとっても痛い。
10月11日(火) |
痛みをこらえて足をひきずるようになる。ほとんど歩けない。
仕事を休み、病院へ行くことにする。が、S整形外科は火曜日休診のため、別の病院を探す。
レントゲンで原因がわからなければ、MRIだったらわかるのでは…。
と思い、少々遠くでも、MRI検査の設備があるM整形外科へ、タクシーで行く。
しかし、歩行も困難なようすを見た医師は、今までかかっていたS整形外科で診てもらうようにと言い、
何もしないで帰される。
このとき、座薬の鎮痛剤(ボンフェナック坐剤)を処方される。
これを使うと、一時的に痛みが治まるが、4時間ほどしか効果がなく、その後、また痛みが訪れる。
※今振り返ってみると、このとき、強引にMRI検査を受けさせてもらえていれば、原因が突き止められ、
こんなに苦労することはなかったかもしれない。あくまでも仮定だが。
10月12日(水) |
S整形外科を受診。痛み止めの注射を打ってもらう。
翌日、痛みはぶり返すが、若干落ち着いたような気がする。
が、満足に歩くことは出来ず、その後、1週間仕事を休む。
10月19日(水) |
仕事に復帰。
朝、鎮痛剤の座薬を入れて出勤し、作業。
その後、4〜5日ほどで、痛みは終息。
11月 |
姿を潜めていた痛みが、また再発。が、今回は歩行困難なほどではない。
鎮痛剤を服用しながら仕事を続け、1週間ほどで痛みが終息。
と、上記のようなパターンを、12月、年が明けてからの2月にも繰り返す。
※原因がわからぬまま、断続的に痛みを繰り返すので、何とかならないかと思い、
関節痛に効くという市販の高価な薬を毎日のんでみる。
1ヶ月以上のまなければ効果がわからないというので続けてみると、
何となく効いているような気がしないではない。
が、これは、せっかく高いお金を出しているのだから効かないはずがないというような、
一種プラシーボ効果的な心理が働いていたのだと思う。
3ヶ月ほどのみ続けても、結局、また痛みが再発するのだから、これは効果がなかったのだろう。
2017年03月 |
仕事場のリーダー、Hさんが腰痛を患っていて、整骨院へ行ったところ、改善したという。
話のようすから、これは技術も高く良心的だと思い、職場に近い利便性もあって、紹介してもらい通うことにする。
T整骨院。
「整骨院」といっても、施術するのは主に筋肉のマッサージ。
こちらで患部の箇所を言わなくても、マッサージの感触で、凝っている場所がわかるのだろう、
そのピンポイントをついてくるので、最初は悶絶するほどの痛さだが、こわばっていた筋肉が揉みほぐされ、
数分後、あるいは数時間後には楽になっている。
また痛みが再発。鎮痛剤はつかったものの、マッサージのおかげで痛みが軽減するように感じた。
1週間ほどで痛みは終息する。
04月 |
右の股関節の痛みが終息した後、今度は右の肩の肩甲骨の下あたりに違和感。
作業中、肩に力を入れるたびに感じていたそれが、数日たつと痛みに変わる。
太腿の付け根と肩とはまったく関係のない箇所のように思われるが、何か関連性があるのだろうか?
T整骨院の先生にきくと、どこかが改善すると、
今まで気づかずに隠れていた別の部位の痛みが起こってくるのはあり得るとのこと。
その後4日ほどで、マッサージの効果もあって、肩の痛みは終息する。
05月 |
また、右股関節に痛み。1週間ほどで消失。
06月上旬 |
再び右肩に痛み。さらには左肩にも。
これまで肩を動かす作業のときだけに感じていた痛みが、姿勢によっても起こるようになる。
そのうち、肩甲骨の下あたりと思っていた痛みが、実は背骨が痛かったんだと意識する。
背中に湿布薬を貼ると、気休めかもしれないが、気分がまぎれて痛みが緩和するように思う。
鎮痛剤「ロルカム」の有効時間と、仕事の作業時間を計算して、食後の服用する時刻を計ってのむ。
それで仕事中はなんとか大丈夫なのだが、前屈みになる姿勢がいけないのか、
通勤自転車の運転中の痛みに悩まされる。
特に、鎮痛剤の効き目が薄れる仕事帰り。
自転車をこぐのが辛くなって途中で引き返したり、道の途中にある地下鉄の駅に自転車を置いて、
地下鉄で帰ったりする。
06月16日(金) |
午後、仕事中に、激しい背骨の痛み。
よほど顔色が悪かったのか、仕事場ですれ違う他所の部署の人から、どうかしたんですかと声を掛けられる。
鎮痛剤の有効時間もわからなくなる。のんでも効かない。
残業を行うのは無理かと思われたが、人手が足りない。
じっと座ったままで30分ほど、仮眠するように半分ひと眠りしたら、痛みが落ち着く。
なんとか残業を終え、地下鉄で帰る。
06月17日(土) |
鎮痛剤の効果か、仕事中、過度の痛みはなかった。
ところが、残業を終えての帰宅時、地下鉄の駅から降りたところで激しい痛みに襲われる。
駅のエレベーターで地上に降り立ったところから、ほとんど動けない。
歩こうと足を1歩踏み出すごとにからだが揺さぶられ、背骨に痛みが走る。
数分、そのままの姿勢でじっと動かず、痛みがやや落ち着くのを待って、歩を進める。
通常は駅から自宅まで15分ほどの距離を、およそ1時間かけて、やっと帰宅。
06月18日(日) |
日曜日で、ベッドに臥せったまま。仕事の作業がないせいか、特に大きな痛みはない。
06月19日(月) |
仕事中にも大きな痛みはない。
仕事の帰り、T接骨院へ行く。このところ、毎週月曜日の週1回のペースで通っている。
マッサージを施してもらい、肩や背中の筋肉がほぐれ、緩和するように思うのだが、
いざ前傾姿勢をとると、背骨の痛みは消えていない。
筋肉は柔らかくなっているのにと、先生も首をひねる。
「やっぱり、整形外科でレントゲンを撮ってもらった方がいいですかね?」と言うと、
レントゲン撮影は原因がわかって、気持ち的には納得するかもしれないが、ただそれだけ。
そこから先の対症治療となると、やはりマッサージなどの施術が必要──とのこと。
06月22日(木) |
仕事の帰り、S整形外科を受診。
背骨のレントゲン撮影希望の旨を言うが、いや、骨には異常がないとのことで、却下。
マイクロ波を背中に当て、鎮痛剤と湿布薬を処方されるのみで帰される。
マイクロ波はまるで効果がないように思う。
06月26日(月) |
仕事の帰り、T接骨院へ行く。
背骨の痛みは、首から来ているのではないかと先生は言い、
背中とともに首を重点的にマッサージしてくれる。
すると、確かに首のツボとも言える部分をマッサージされると、背骨の痛い部分が反応する。
術後、痛みが劇的に改善したわけではないが、続けてもらうといいかもしれないと思う。
※仕事場で知り合ったKさんに話を聞いた。
右手の指先がしびれて病院に行ったところ、原因は首の頸椎にあったという。
離れた箇所が関連し合っているという、そんな話をどこかで読んだと思ったら、
整体の片山洋次郎氏の著書だった。
同氏の師ともいえる野口晴哉も、同様のことを書いている。
頸椎,胸椎、腰椎という脊椎は、からだのいろいろな箇所と関連し合っているというのだ。
T接骨院の先生にきくと、二人の名前は知らないという。
整体は、いろいろな系統があって、それぞれに独立しているらしい。
だが、首と背骨がつながっているというようなからだの事実は、
どこの系統も把握していたりするのだろう。
患部と離れた箇所で痛みを感じたりすることを「トリガーポイント」というところもあるらしい。
07月01日(土) |
これまで背骨に痛みはあったが、姿勢によっては軽減でき、鎮痛剤と湿布で仕事を続けてきた。
が、この日は背骨の痛みに加え、腰のあたりから下半身にかけて、ジンジンとしびれを感じる。
おかしい。
仕事が終わってからS整形外科を受診。
すぐに原因がわからないとしても、せめてレントゲンを撮ってもらいたかったのだが、
骨が原因ではないと言われ、撮ってもらえず。
撮影希望の旨を言うと、「そのうち、おいおいに」と断られ、
鎮痛剤の処方とマイクロ波照射のみで帰される。
07月02日(日) |
ジンジンというしびれは増すが、歩行はできる。
日曜日で病院は休みだが、明日には、とにかくS整形外科以外の病院へ行って、
レントゲン撮影をしてもらわなければ。
07月03日(月) |
下半身のしびれは増し、麻痺していると感じる。
なんとか整形外科病院へ行ってレントゲンをと思っていたのだが、ここへ来て、
いやいや、病院だと検査をするだけで時間がかかり、またしても原因不明となれば、
薬を出されるだけとなって、前回の二の舞になってしまうのでは、と考え直す。
そこで、カイロプラティックなら、実践的な対応をしてくれるかもしれないと考え、
N整体院を受診。
N整体院は、野口晴哉の整体に通じているところもあって、良心的だった。
が、下半身麻痺という現状に対して、すぐに対策を講じてくれるというわけではなかった。
※現時点で考えれば、これが間違いだった。早く病院へ行くべきだった。
が、当時は、原因は骨やその周辺の腱とか筋肉にあるという発想しかなく、
病院への不信感もあって、カイロを選んでしまった。
受診の帰りに銭湯に寄る。
すると、熱い湯をかけても、下半身は熱いと感じない。
熱めの湯船に入ると、上半身は熱いと感じるのだが、
足先やふくらはぎなどは低音のぬるま湯につかった感覚で、
特に腰のベルトまわりなどは、まったく水につかっているように感じる。
何かに触ったら触感を感じるものの、熱を感じる温感が麻痺していることがわかる。
07月04日(火) |
仕事を休もうと思ったが、昨日も休んでしまい、
人手が足りないところへ、しわ寄せも行ってしまって申し訳なく、
とにかく出勤する。
歩行はなんとか出来るものの、まっすぐ歩くことは難しく、フラついて、
酩酊状態のような歩き方となる。
なんとか作業をこなす。
残業もしようと思っていたが、同僚でありリーダーのHさんが代わってくれる。
また、この日、Hさんが予約していたT接骨院への診療も、譲ってくれた。
Hさん自身も腰を痛めているところなのに、ありがたい。
そこで、定時の仕事終わりで、T接骨院へ。
筋肉へのマッサージは、効果は感じるものの、やはり下半身のしびれへの対処とは
ならない。
すると、それまで病院でのレントゲン撮影には消極的だった先生が、
「レントゲンを撮ってもらった方がいい」と言ってくれる。
整体とは違うアプローチが必要ということか。あるいは差し迫った状況ということか。
自分でもそれを感じる。
07月05日(水) |
自宅の近所にあるのだが、これまで知らなかった。
これまで通勤のついでに通うのに便利な自宅の西側の病院を探していて、
これまで通勤のついでに通うのに便利な自宅の西側の病院を探していて、
東側にあるこの病院は視野の外だったのだ。
自宅から徒歩20分程度だが、タクシーで行く。
が、このときは、わずかな歩行でもフラついて心配だったので、
杖の代わりになるものは何かないかと部屋中を探し、友人からもらった木刀を杖代わりにして歩く。
A整形外科は、「医療モール」という、整形外科以外にもいろいろな診療科や検査施設が集まった
複合施設のようなビルの中にあり、それぞれがネットワークでつながっていて連携もしているらしい。
受診すると、即レントゲン撮影。
A先生は撮影した写真を説明し、骨と骨の間隔のわずかな異変など、
素人には気づきにくいような兆候を指摘してくれる。
が、原因は明確にはわからないといい、急遽、別院でのMRI撮影の予約を入れてくれる。
この時点で、病気のおおよその見立てはついていたのかもしれないが、それは言わず、
「とにかく急ぐように」と、スタッフに指示してくれていた。
07月06日(木) |
予約通り、朝いちばんでMRI撮影を行ってくれた。
木刀を杖代わりにしてタクシーで行く。
タクシーの支払いを終え、降りたところで、歩道に1円玉が落ちたことに気づく。
なにげなく拾おうとして膝を折り曲げたところ、力が入らなくなり、転倒する。
医療モール・ビル入り口の警備員さんと、通りがかりの方に助けてもらい、立ち上がる。
まさか、これほど力が入らないとは思わなかった。
朝、A整形外科より、電話。すぐに来院するようにとのこと。
07月07日(金) |
行くと、A先生から説明。
MRI検査の結果、股関節の骨と背骨に腫瘍があることが判明。
画像では腫瘍が黒く見えるといい、なるほど画像を見ると、
骨のところに黒い穴がポッカリ開いたようになっている。
腫瘍は骨の内部に巣食っていて、レントゲンではわからなかったというわけだ。
背骨の腫瘍が脊髄の神経を圧迫して、それが下半身の麻痺を起こしているとのこと。
A先生いわく、MRIだけでは原因の病巣がどこにあるかはわからないが、
そこから骨に飛んだのだという。
それで、「トリガーポイントということですか?」と尋ねると、
「いえ、そういうわけではなく……」と先生が言いよどむので、
「ああ、転移ということなんですね」と、ここで初めて気づく。
都立K病院のドクター宛に紹介状を書いてもらい、そのままタクシーでK病院へ。
CT検査、血液や肺呼吸などの検査(尿検査は尿が出なかったためにパス)を
たて続けに行ってもらう。
結果、原発巣(げんぱつそう)は、前立腺と判明。
前立腺がんが、骨に多発転移したという。
(がんのおおもとの病巣を「原発巣」といい、
複数の箇所に転移することを「多発転移」というのだそうだ。)
その日のうちに放射線治療を施してもらう。
明日からは土日で放射線科は休みということもあり、今日のうちにと急いでくれたのだろう。
そのまま緊急入院となる。
今年の七夕は、人生初の入院日となってしまった。
※謎は解明された。これですべてはつながった。
約1年のあいだ、痛みの犯人は、骨や関節のあたりにいると信じ込んでいた。
ところが奴は、前立腺というまったく予想もしなかったところに潜んで、着々と悪の帝国を築いていたのだった。
(前立腺がんという病気を知れば、こうしたパターンは往々にしてあることらしい。)
がんなどの腫瘍があると、そのまわりの筋肉は緊張してこわばり、痛みをさらに増長させる。
だからT整骨院やN整体院で、収縮した筋肉をマッサージしてもらったのは効果があったわけだ。
が、肝心の腫瘍の痛みは去ることなく、それでT整骨院の先生も首をひねることになった。
振り返ってみれば、朝方など、尿のいきおいがなくなり、チョロチョロと数分間もかかって
長々とたれ流すような排尿のしかたをするようになったのは、1年ほど前のことだったろうか。
てっきり老化のせいかと思っていたが、前立腺がんの影響もあるかもしれない。
父親が、前立腺がんということは聞いていた。
が、老齢の男性にはありがちなことで、
前立腺のがんの場合、進行の速度が10年、20年というゆっくりさ。
それで父のような老齢では無理に治療をせず、見守ることも多く、
それでも天寿をまっとうすることも多いときき、それほど心配していなかった。
が、自分が同じ病気に直面しているとは。
後で調べてみると、前立腺がんは、遺伝という要因も確率的にはあるのだという。
とにもかくにも、A整形外科のA先生、
そして主治医のS先生をはじめとするK病院のチームの先生方には、感謝してもしきれない。
もし急いでもらわなかったら、下半身麻痺となり、一生歩けなくなるところだった。
が、しかし、前立腺がんというラスボスとの闘いは、
その第2ラウンドのゴングが、ようやく鳴らされたばかりだった。
by kamishibaiya
| 2017-08-16 10:41
| 病気のこと